ちなみに女王蜂とセックスできる幸運なオス蜂の末路

いろいろなハチの中でミツバチの雄の生殖器はちょっと変わっていて、キチン質の硬い部分が退化縮小して、ほとんどこの「内袋」でできています。
そして、女王蜂と交尾するときにこの外部生殖器のほぼ全体を占める「内袋」が巨大に勃起するのです。

女王蜂の生殖器の奥深く、この巨大に勃起した内袋で瞬間的に射精して一気に精液を送り込むと、なんと雄はそのまま即死します。

射精した瞬間に死ぬのです。

この、ミツバチの雄の内袋の巨大な勃起と射精の瞬間の死をいささか煽情的に「生殖器が爆発して死ぬ」と表現している人がいるのです。

ミツバチの交尾は飛翔しながら行われますので、交尾した女王蜂は射精の瞬間に即死した雄をしばらくぶら下げて飛びつづけます。
そう、自分の生殖器に死んだ雄をぶら下げて飛ぶのです。
やがて、硬いキチン質の部分がほとんどなく、薄い膜質の内袋だけの雄の生殖器はしぼみ、飛翔時の風圧で生殖器の途中からちぎれて、死んだ雄蜂は地面に落下していきます。
そうすると女王蜂は体内に残った雄の内袋の断片を引きずり出してポイっと捨てます。

凄まじいのはここからです。
ミツバチの女王蜂は生涯に一回だけの結婚飛行で3〜8年間ほどの一生分で使う精子を体に蓄えなければなりません。
女王蜂は雄蜂が群れ飛ぶ空域に舞い戻り、この雄が即死する交尾を10回ほど繰り返すのです。