ソフトバンクも白根の状態には気が付いていたようで、投手ではなく野手として指名した。「今振り返ると、それまでは本職は投手だと思っていたので“投手としてやっていたら、今どうなっていたのかな、もうちょっと長くできたのかな”と思うこともあります。ただバッティングも得意だったので、野手で行くことにしました」と本人は当時の思いを明かす。

 1月には肘の異状が見つかって、手術が決まった。

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「球団のメディカルチェックで靱帯がないことはわかってしまうし、手術した方がいいのはわかっていました。キャンプイン前日にみんなキャンプ地の宮崎に移動するんですが、僕だけ真逆の東京の方へ飛んだんです。

 肘を開けてみたら、周辺も痛んでいたので、靱帯を再建するトミー・ジョン手術だけでなく、クリーニングも含めていろんな治療も併せてやりました」

 プロ選手になると同時に手術、リハビリ。この経験は高校生にとって本当にきつい経験だったに違いない。

「ふざけ半分だとは思うんですけど……“給料泥棒”と茶化してくる人もいて、堪えました。ストレスのせいもあって、1年半で27キロもやせてしまいました。トレーニングをして結構食べていたんですが、それでも自動的にやせたんです。ルーキーイヤーで全く野球ができない日が続いたので、メンタルがだいぶやられて、もやもやしたリハビリ期間を約10カ月過ごしました」

https://number.bunshun.jp/articles/-/853632?page=2