0001それでも動く名無し
2022/06/25(土) 22:11:29.06ID:9WLCXEd/0覇権争い
近代資本主義社会の歴史は,大国の覇権争いの歴史でもあった。その中で覇権国は,新興国が発展してその覇権の座を侵しそうになるとそれを叩く。覇権国の座を巡り,経済の争いだけでなく,独立戦争や本当の殺し合いの戦争が起こる。これをある人は「ツキジデスの罠」と名付けた。
筆者は,1981年から5年間アメリカに住み,日本企業がアメリカ市場でどんどんビジネスを拡大し,それに対してアメリカが巻き返しをしようとする動きを見た。1988年に『アメリカの底力』という本を書き,「もはやアメリカから学ぶものなし」と豪語していた日本の産業界に,アメリカが日本に逆襲してくると警告をした。
日本は,1969年アメリカに次ぐ第二の経済大国になって,1979年にエズラ・ボーゲル氏が書いた「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉に酔いしれ,ソニーの盛田昭夫氏が「安くて良い商品を販売してどこが悪い」と言い,石原慎太郎氏と盛田氏が『「NO」と言える日本』という本を書いてから,残念ながら私の警告の通りになり,アメリカは日本に逆襲してきた。
半導体戦争,自動車貿易戦争が起こった。アメリカは,スーパー301条,日米構造協議,年次改善要望書などあらゆる理由をつけて日本産業を叩いてきて,日本半導体産業と家電産業を壊滅させてしまった。アメリカは日本の自動車産業も叩いてきたが,トヨタが咄嗟にアメリカに11の工場をつくり50万人以上の雇用を創って,なんとかアメリカの逆襲をかわした。
だがそれ以来日本産業は衰退し,そして日本経済は1998年以降デフレに陥り,GDPはゼロ成長という不振が続いている。