JR吉祥寺駅(東京都武蔵野市)のホームから転落した高齢女性を救助したとして、警視庁武蔵野署は29日、和田浩一さんに感謝状を贈った。女性の転落から電車が到着するまでわずか5秒程度だった。和田さんは「電車がホームに入ってくるのが見えたが、おばあちゃんを救いたい一心だった」と振り返った。

 武蔵野署によると、今月4日午後2時ごろ、同駅ホームを歩いている90代女性が体調不良によって誤って中央線の線路上に転落。そばにいた和田さんはホームから飛び降り、ホームの下に開いている緊急待避所に女性を引っ張って逃げ込み、救助した。その直後に電車が通り過ぎ、約120メートル先で停車したが、2人に接触することはなかった。

 和田さんは後日、女性のめいから感謝の手紙をもらったといい、「元気に暮らしていると聞き、本当に良かった」と喜んだ。菅野修司署長は「勇気のある尊い行動」とたたえつつ、線路に転落した人を助けようとして死亡する事故も起きていることから「誰もがなしえる行為ではなく、(ホームに設置されている電車の)非常停止ボタンの活用を推奨したい」と話した。【岩崎歩】

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