勾留停止中に東京都内の病院から逃走し福岡で確保され４１歳の男が、福岡まで新幹線にキセル乗車してきたことについて「車掌が切符を見に来なかった」などと供述していることが新たに分かりました。

磯野貴博被告（４１）は今年３月、東京都内で走行中の車にわざと腕をぶつけ、腕時計の修理費をだまし取ろうとした疑いで逮捕・起訴されました。

５月に病気の治療のため勾留執行の停止を受け、東京・中野区内の病院に入院し、６月２９日午前１１時半ごろ、東京・豊島区内の病院に転院したあと、行方が分からなくなりました。

東京地検が行方を追う中、磯野被告は約９００キロ離れた福岡まで逃げ、２９日深夜になって福岡市内の交番に出頭しました。

東京から福岡までは新幹線にキセル乗車していたことが分かっていましたが、その後のＦＮＮの取材で、キセル乗車の詳細が新たに分かりました。

関係者によりますと、東京・豊島区の病院から姿を消した磯野被告は、１０００円ほどの所持金があり、その金で電車に乗って品川駅に向かっていました。

品川駅に着いた磯野被告は１４０円の入場券を購入し、切符を持たずに博多行きの新幹線にキセル乗車していました。

博多駅までキセル乗車できたことについて、磯野被告は「新幹線の車掌は切符を持ってるか見に来なかった」「博多駅に着いて改札で『切符を無くした』と言ったら、そのまま出られた」「東京・品川の駅から金を払わずに福岡まで行った」と供述しているということです。

現在、磯野被告は新宿警察署に勾留され、逃走の動機などについて取り調べを受けています。