いまの巨人に「こうすべきだ」という物事の本質を教えたくなる/廣岡達朗コラム

 巨人の坂本勇人が腰痛のために出場選手登録を抹消された。

 治せる専門の医者がいない。それに尽きる。人工芝の東京ドームを本拠地にしてショートを守り続けてきた勤続疲労による持病というが、治せる医者だったら、34歳の若さだけにとっくに治っている。以前の状態に戻す技術が医者にない証拠だ。

 それにしても巨人は勝つつもりがあるのだろうか。新人を突然使ってみたり、いままで使っていた選手を干すなどメチャクチャである。

 捕手をなぜコロコロ変えるのか。ローテーションで使えばいいと思っているようだが、あれは良くない。1つのポジションで3分の1ずつ選手を使って、良い結果など出るわけがないではないか。

 昔は一人前にならなければレギュラーを獲れなかった。部品のようにとっかえひっかえして、どうしてモノになろうか。こいつが良いと思ったら、失敗しようが何をしようが「頑張れ」とハッパをかけて根気強く使い続けるべきなのだ。

 巨人戦を見ていると、なるほどというものがない。中田翔がたまにホームランを打つが、彼はクリーンアップを打つべき選手だ。それが、スタメンで出たら六、七番あたりを打っている。パ・リーグ打点王のプライドはないのか。

 オーダーもあちこちいじって何が打順だ。原辰徳監督は堪え性がないどころか野球を知らない。単打では我慢できないから長打を打つ選手を希望する。クリーンアップを打つ選手ばかり集めたら小技はできない。

 日本シリーズで2年連続4連敗してもクビにもならず、億単位の年俸をもらっている。こういうことを球団が認めているとしたら、フロントもだらしない。

 巨人は新外国人投手(イアン・クロール)の獲得を発表した。チーム防御率はリーグワーストの3.82(7月10日現在)。投手コーチがなっていない。新しいもの好き。若手・新人を使って、少し悪ければ二軍に落とす。選手というのは欠点を注意して改善してこそ成熟するものなのに、何も教えていない証拠だ。

 結局、二軍、三軍の選手に希望を与えることの意味を分かっていない。いまのやり方で希望を与えていると首脳陣が思っているとしたら浅はかとしか言いようがない。