ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が、インターネットのサイトでウクライナに派遣する戦闘員を募集していたことがわかった。ロシアの経済紙RBCが報じた。

【写真】「プーチン氏の料理長」と呼ばれるエフゲニー・プリゴジン氏。「ワグネル」に資金提供をしているとされる

 ワグネルはプーチン大統領に近い非合法の傭兵(ようへい)部隊で、虐殺など非人道的な行為に関与したという指摘もあるが、その実態の一端が明らかになるのは極めて異例の事態だ。

 ワグネルはロシア軍参謀本部の情報総局(GRU)出身のドミトリー・ウトキン氏が設立したとされる。資金を提供するのは「プーチン氏の料理長」とも呼ばれる新興財閥(オリガルヒ)のエフゲニー・プリゴジン氏だ。外食産業で成功し、プーチン氏と親密な関係を築いた。

 2千~3千人規模の戦闘員がいるとされ、ロシア軍の「別動隊」としてシリアやウクライナのほか、アフリカでも活動してきた。


 シリアでの活動を紹介するビデオが掲載され、「ワグネルはすでにウクライナで、(シリアに次いで)再び勝利している」と書いて実績を誇っていた。

 サイトには、申し込み欄に加え、ロシア各地の代表の電話番号やSNSのアカウント名を掲載している。ウクライナ東部の親ロシア派地域の番号もあった。

 RBCの記者は志願者を装って各地の代表に電話。仕事の内容や待遇、訓練などについて聞いた。

 それによると、対象年齢は24~50歳。契約軍人の経験があれば23歳、ウクライナでの戦闘経験があれば22歳でも可能だ。50歳超は経験による。

 契約期間は約4カ月。1週間の訓練後、ウクライナに送られる。手取りの月給は24万ルーブル(約57万円)とロシア平均の約4倍。実績に応じて15万(約35万円)~70万ルーブル(約166万円)の賞与も支払われるという。

 ワグネルをめぐっては、戦闘員が、シリアで拘束した人を笑いながらハンマーで打ち付け、頭部や手足を切断した様子を撮影したとされるビデオがインターネットで公開されたことがある。欧米メディアは、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャの虐殺に関与したと伝えている。

https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/79df339e1bf78646aec699e58bf1020e91a43552&preview=auto