精神科医の香山リカ氏が朝日新聞に寄稿し、「いちばん力を入れているのはSNSのツイッターにコメントをくれた人たちとのやり取りだ。もちろんすべてに目を通すことはできないが、
特に『匿名』での『賛意ではなく批判(罵倒や誹謗中傷もある)』に応じるように心がけている」と述べた。それに対して、ツイッターでブロックされたと主張する人たちが「大ウソつき」「対話拒否の女王」などと批判している。

 もしもブロックされた人がそんなにたくさんいるのなら、「批判との対話続ける」という香山氏の主張と食い違う。

ちなみに香山氏のツイッターアカウント上には「自動ブロックツールはやめたけどまだたくさんの人をブロックしたままなんで、手動で少しずつ解除してるんだ。
ブロックされてるあなたもいつの日か必ず解除するんでお待ちください!」と記載されており、自分に批判的な人をブロックしている事実を認めているように見えるが、それが香山氏の記憶から抜け落ちているのではないかと疑いたくなる。
そうだとすれば、自分がブロックしなかった人の許容範囲内の批判だけに対応しているにせよ、「批判に応じるように心がけている」と香山氏が認識しても不思議ではない。

 このように、自分が経験したにもかかわらず、不都合な事実や思い出したくない出来事が意識からすっぽり抜け落ちる現象を、フランスの神経学者、シャルコーは「暗点化(scotomisation)」と名づけた。