0001それでも動く名無し
2022/07/16(土) 22:20:54.35ID:6C8/603xd緊急事態宣言を出すのは、もちろんウイルスを運ぶ媒体となる人流を抑制するためだろう。だが、同時に人流を増やし、感染拡大を招く恐れのある五輪を開催する方向で進めているのだから、矛盾している。
東京都に4度目の緊急事態宣言が出されると、酒類提供については中止を要請する方針らしいが、飲食店の方々が「われわれだけがずっと犠牲になっている」という不満を抱いても不思議ではない。
現在政府がやっていることは、中枢神経を興奮させる作用がある覚醒剤やコカインなどの「アッパー系ドラッグ」と中枢神経を抑制する作用がある抗不安薬や睡眠薬などの「ダウナー系ドラッグ」を同時に投与するヤブ医者の治療方針と似ているように見える。
(中略)
それと同じことをやっているのが菅政権で、すでに緊急事態宣言への依存症に陥っているように見える。五輪開催というアクセルを踏みながら、感染状況が悪化すると、緊急事態宣言発令というブレーキを踏んでしのごうとする。
だが、わが国は「緊急事態宣言慣れ」とでも呼ぶべき状況になっており、いくら緊急事態宣言を出しても、人流がそれほど減るわけではない。第一、緊張感がない。
抗不安薬や睡眠薬を長期間服用していると、「耐性」が生じる。これは、最初の服薬によってもたらされたのと同じ効果を得るには、徐々に量を増やさなければならなくなることである。
「緊急事態宣言慣れ」も「耐性」に似ているように見える。昨年4月に発令された最初の緊急事態宣言と同様の効果を得ようとすれば、より厳しく、より長くするしかない。
一方、あくまでも五輪開催に固執するのは、それによって国民が元気になり、衰退の一途をたどる日本が再上昇する起爆剤になるという幻想があるからだろう。
この幻想にとりつかれた政治家は、覚醒剤によって得られる高揚感と多幸感を求めて使用を繰り返す依存症患者と似ているように見えなくもない。
もっとも、五輪にそれほどの効果があるのだろうか。むしろ、「五輪によって国民が元気になればいいのに」という願望を現実と混同する幻想的願望充足にしか思えない。
しかも、覚醒剤の使用後しばらくすると倦怠感や脱力感に襲われるのと同様に、五輪後われわれは虚脱感に襲われ、うつ状態になるのではないかと危惧せずにはいられない。
(文=片田珠美/精神科医)
https://biz-journal.jp/2021/07/post_237302.html