高田元GMの遺産やぞ


「予定の人数を超えてしまうけども、もうひとりいいか?」

 2016年10月20日、グランドプリンスホテル新高輪で行われた第52回ドラフト会議。
横浜DeNAベイスターズのゼネラルマネージャーだった高田繁は、テーブルを見回しそう語りかけた。濱口遥大を筆頭に予定していた8名の選手の指名を終えるところだった。

 同じテーブルを囲んでいた球団代表に就任したばかりの三原一晃は、高田GMの一言に次のように答えたという。

「後悔するのは嫌ですから獲りましょう」

 こうして明治大学の佐野恵太は、ドラフト9位でDeNAに指名された。支配下登録選手として全体で87人中84番目、セ・リーグでは最後の指名だった。

 三原代表は振り返る。

「かなり悩んだ選手だったので高田前GMの言葉がなかったら、獲得していなかったかもしれません。今思えば、本当に獲って良かった。
一番喜んでいるのは、担当スカウトだと思いますよ

https://number.bunshun.jp/articles/-/843013