学校の水泳の授業について、東京都立高校1年の女子生徒から「全員参加ではなく、選択制にしてほしい」との声が、本紙「ニュースあなた発」に届いた。この高校では、水泳の授業で見学や欠席をした場合、200メートルを泳ぐ「補講」を課され、補講に参加しないと体育実技の評価が5段階で最も低い「1」になるという。「生理など体調不良で入れない子もいるのに。おかしい」と生徒は訴えている。(奥野斐)

 
 高校の25メートルプールでは、計約80人が男女別のグループに分かれて同時に授業を受けるという。生徒は「体調不良や(生まれた時の性別と異なる性で暮らす)トランスジェンダーなどでプールがつらいという子もいる。『泳がなければ評価1』はひどい」。


 生徒が写真共有アプリ「Instagram」を使って、同じ高校に通う友人ら53人にアンケートをしたところ、6割近い31人が水泳の授業を「嫌い」「大嫌い」と答えたという。

 高校を中心とする東京都立学校では4月から、下着の色の指定や髪の毛を一律に黒く染めるなどの5項目が全廃された。こうした理不尽な校則は「ブラック校則」と呼ばれる。生徒は「問題となったブラック校則については各校で改善が進んでいる。水泳の授業や補講の仕方も改めてほしい」と話している。

 高校の水泳授業 学習指導要領は、高校の保健体育で水泳を必修としていない。「水泳」「器械運動」「陸上競技」などの領域から各校の判断で選択し、教育内容を決めている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/190016