海の外、5万人が揺れる盆踊りがあった 政治の横やりはねのけた情熱
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3万人を超える参加者を集め、日本の外では最大級と言われる盆踊り大会が、マレーシアにあります。1977年に始まり、今年で46年目。コロナ禍もあり、3年ぶりの開催となりました。

ところが今年は開催をめぐり、ひともめありました。6月、マレーシアの国教でもあるイスラム教に関連した政策を担当する大臣が「イスラム教徒は、盆踊り大会に参加しないように」という発言をしたからです。

実際はどうなのか。やはり参加をためらう人が多いのか。そう思いながら会場を訪ねてみると、驚きの光景が広がっていました。

7月16日、首都クアラルンプールの西、日系企業の工場が集まるセランゴール州シャーアラム。パナソニックの工場群の中にあるスタジアムに向かった。

天気は晴れ。さわやかな風が吹き抜ける絶好の祭り日和だった。

午後6時、スタジアム周辺は大渋滞だった。車で送ってくれたマレーシア人の友人が「ふだんはここまでは混まないよ。かなりの人が集まっているんじゃないかな」と言った。

車が動く気配がないので、会場から1キロほど手前で降ろしてもらう。同じように、歩いている人たちが少なくない。

ところどころ、浴衣で着飾っている人も多く、髪を覆う「ヒジャブ」と呼ばれる布をかぶっている女性も目につく。イスラム教徒たちだ。

その様子を見ながら「心配は、杞憂(きゆう)だったか」と思った。(省略…)

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