単なる客寄せパンダではない。6月中旬に栃木県小山市内でトライアウト(入団テスト)を実施。高岸は所属選手2人を相手に計5打席対戦し、被安打1に抑えた。188センチの長身から投げ下ろすストレートは平均130キロ台後半を計測し、フォークで空振り三振に仕留めるシーンもあった。

江部社長は「ウチは今季、首位に立ったこともあったけれど、現在3位に落ちている。投手力に課題があり、常に現場の首脳陣、編成担当者が補強を検討している中で、ご縁がありました」。あくまで獲得の要因が戦力補強にあることを強調した。実際、栃木は19日現在、シーズン半ばを過ぎたBCリーグで41試合18勝18敗5分。南地区4球団中3位で、チーム防御率はリーグ8球団中ワーストの5.11と低迷している。

高岸は愛媛・済美高、東洋大で投手として活躍し、プロを目指したが、怪我で断念した経緯がある。江部社長は「10年ぶりの“現役復帰”だそうですが、トライアウトを見る限り、ストレートは138~139キロ出ていた。そこは評価しました。野球をやりたい気持ちだけで140キロ前後のボールは投げられませんから」と話す。

当面は練習生扱いで、25日にチーム練習へ初参加。その後、慎重に実戦登坂のタイミングを見極めていくと言う。芸能活動との両立は、チームと所属事務所で話し合いながら進めていくそうだ。高岸自身は「もともと芸能活動でも“投げる仕事”が多く、日々の生活の中でトレーニングを欠かしていませんし、今後も継続していきます」と自信をうかがわせ、「僕は今まで通り、基本的に指定された時間に指定された場所で命をかけるだけです」と語った。
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