ともに新型コロナウイルスの遺伝子量が微量で、正常値ぎりぎりだったことを説明する際に「『微陽性』にあたる」とした。坂本、大城両選手は三日にPCR検査を受け四日に陰性と判明。濃厚接触者とされる二十六人も検査を受けたが陰性だった。

 長崎大の安田二朗感染症共同研究拠点教授(ウイルス学)に「微陽性」について尋ねると「公式に使われたことはないと思う。専門用語でもない」とやや驚いた様子。「多分、ウイルス量が少なくて、人にうつす可能性は低いと言いたいのだろうが、あいまいな表現だ。使い方によっては誤解が生じる可能性があるかもしれない」と指摘し、「陽性だったけど、検出されたウイルス量は極めて少なかった、というのが科学的な正しい表現だ」とした。

 国際医療福祉大の高橋和郎教授(感染症)も「初めて聞いた。学会や専門家の間でも使われていない。新たに使うなら、きちんと定義しないと分かりにくいし、伝わらない」という。