舞台は1974年5月7日、文氏が開いた「希望の日晩餐会」だ。岸信介元首相が名誉実行委員長を務め、帝国ホテルに1700名を集めて開催された晩餐会には、40人もの自民党国会議員が出席している。

 その席で、当時の福田赳夫大蔵大臣がこうスピーチしたのだ。

「アジアに偉大なる指導者現る。その名は文鮮明である。

 私はこのことを伺いまして久しいのでありますが、今日は待ちに待った文鮮明先生と席を同じくし、かつただいまは、文先生のご高邁なご教示にあずかりまして、本当に今日はいい晩だなと気が晴れ晴れしたような感じがいたすのであります。

 今日は文先生から『お前らは神の子である』という激励を受けまして、少し何かえらくなったような感じもいたします。私は『この神の子である』というのは、世の中のために大いに奉仕していく。またそういう気持ちになった日本人個々を育て上げなさいと、こういうことであろうと受け取りました。

 今日は文先生本当に立派なお話を承りましてありがとうございました。心から御礼を申し上げます」

スピーチを終えた福田氏は文氏と熱い抱擁を交わす。

 後の1978年、福田氏は首相時代にこのスピーチを国会で追及され、「文鮮明氏が他にどういうことをしておるのか、そのことについてはいささかも承知しておりません」と答えているが、2人の親密さは明らかだ。
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