2020年7月24日、
Tokyo2020開会式の当初の予定日だった、その当日。
開会式の会場となる完成したばかりの国立競技場には、静寂が漂う。環境に配慮したサステナビリティと、誰もがアクセスしやすいユニバーサリティいった機能性を備えた新しいスタジアムの中央には、競泳の日本代表・池江璃花子が、ギリシャ・オリンピアで採火された聖なる火の灯されたランタンを携えて、白血病という大病を乗り越えた自身の経験を交えながら、鬱屈とした閉塞感に苦しむ世界中の人々へ、希望のメッセージを届けた。