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・接戦の勝敗はチームの能力によって決まるのか?

これを明らかにするために、ここでは成績の再現性に着目します。
接戦の勝敗がチームの能力(接戦の強さ)で決まるのなら、あるチームの年間試合を偶数と奇数のグループに分けた時、
偶数試合で接戦に勝てているチームは、奇数試合でも接戦に勝てているという傾向が見出せるはずです。

ここでは「非接戦時と比べて接戦時にどれだけ高い勝率を記録したか」という尺度によって、
「そのチームが接戦で勝てたかどうか」を評価することにしてみましょう。
1958年以降の全チームについて、横軸に偶数試合、縦軸に奇数試合で接戦に勝てたかどうかをプロットしたのが下のグラフです。

https://i.imgur.com/60YfFXj.png

偶数試合で接戦に勝てているチームが、奇数試合でも勝てているという傾向はほとんど見られません。
これは「接戦の勝敗はチームの能力ではなく偶然で決まっている」ことを意味します。
このデータでは3点差以内を接戦と定義しましたが、2点差以内、1点差以内と定義を変えても同じ結果となります。

「得失点差の割に貯金が多くなるか」は接戦の勝敗によって決まることは既に述べました。
その接戦の勝敗が偶然によって決まるということは、必然的に...

https://i.imgur.com/jtBCpV3.png

「得失点差による予測値に対する貯金の上積み」がチームの能力によって決まるのなら、
偶数試合で得失点差の割に貯金が多いチームは、奇数試合も得失点差の割に貯金が多いという傾向が存在するはずです。
それが全く存在しないため、「得失点差の割に貯金が多くなるか」も偶然によって決まるということになります。

強力なリリーフ陣、捨て試合を作るなどの運用、監督の手腕が優れている、といったチームの特性は、
貯金と得失点差の乖離に対して、わずかな影響しかもたらせないようです。