デブ煽りはホンマに効いてそうやから…
 「WBCが終わった後は、『シーズン通して投げていく中でケガを治す』というプランを描いていました。しかし、いくら投げても状態が上がってこない。1回目のDL(故障者リスト)入りから復帰した5月は自分に嫌気がさしました。休ませてもらったから、肩は元気です。だから、上半身の力だけでスピードは出る。出るんですが、下が使えないから、腕が振れない。投げたいストレートが投げられない。その結果、直球が走ってこその組み立てができなかった。今思えば、WBCの時の精神状態で長丁場を乗り切るのは無理があったんだと思います。でも、春先はレッドソックスの状態が悪かった。だから、何とかしてチームの力になりたいと思ったんです」
 だが、そんな事情を知らないメディアは、「三流に成り下がった」「才能だけで投げてきた限界」「燃え尽き症候群」「太り過ぎ」と猛烈な松坂バッシングを展開。ついにはファンまでもが「日本へ帰れ」「日本が高額年俸を負担しろ」と攻撃を始めた。
 「太ったのは、ケガで走れなかったことがすべて。どれだけウエート・トレーニングをこなしても、走れないことにはカラダは絞れないし、キレも出てこない。ただ、痩せたから、絞ったからといってパフォーマンスが上がるって問題ではないですよね。痩せて野球が上手くなるなら、いくらでも痩せますよ! そんな簡単な話じゃない。解説者はアラ捜しするのが好きですけど、本当のことを分かっている人はほとんどいなかった」