ニューヨーク・ポスト紙が4日(日本時間5日)、今夏のエンゼルス・大谷のトレード交渉の舞台裏を報じた。記事によれば、ヤンキース、パドレスなど「12球団程度」がトレードを持ちかけたが、アート・モレノ・オーナーはオファーの内容を聞こうともしなかった。部下への説明は短く「(主軸の)トラウトとレンドンがケガをしている状況で、大谷のトレードはできない」と伝えたという。

 同紙はエ軍の現状について「リセット(再建)が必要」とした。ただ、いずれも長期契約を結んでいるトラウトの契約には全球団へのトレード拒否条項があり、レンドンはケガが多いため買い手がつきにくい。大谷をトレードすれば、今回ナショナルズからパドレスに移籍したソトのような多くの見返りを期待できると強調した。

 広告業で巨万の富を築いたメキシコ系米国人のモレノ・オーナーは、球団初のワールドシリーズ制覇を遂げた翌年の03年にエ軍を買収。以来、世界一には一度も輝いていない。トラウト、レンドン以外にも過去にジョシュ・ハミルトン、プホルス(現カージナルス)らの大型補強を行ったが、中長期的なチーム強化という部分では成功とは言い難い。野球好きではあるものの、勝つための投資よりも集客やビジネス面に注力している経営方針が指摘されて久しい。大谷は球場広告などばく大なスポンサー収入も見込めるだけに放出に強い難色を示している。

 同紙は、ある球団首脳の「大谷はあと14カ月でドアから出る(FAになる)。出たらもう戻ってこない」との談話を掲載。大谷との契約延長交渉も含め、エ軍の再建への道のりは険しそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2858d785c4611f551449433c33e0586410919435