0001それでも動く名無し
2022/08/08(月) 18:35:34.47ID:+NBA7PUnd0808次回登板に向けブルペンでの投球を終えたレイはタオルで汗を拭うと、5日(同6日)の対決を振り返った。
「もちろん、長打は警戒していました。でも、分析した事前データを頼りに特別な何かをしたわけではないですよ。登板前に強く思ったのは、ずっと大切にしてきたスライダーの切れと回転を意識した高めのストレートを内角にも配して挑むということでした」
持ち球はストレート、スライダー、ツーシーム、チェンジアップの4球種だが、大谷には計13球を投げ、入り球にも決め球にも使った外角へシャープに滑るスライダー9球と、先の言葉通りに、伸びのあるストレート4球を織り交ぜる組み立てで圧倒した。
2021年、レイはその前年8月終わりにダイヤモンドバックスから移籍したブルージェイズで32試合に登板し、13勝7敗、防御率2.84の成績でリーグ最多となる193回1/3と248奪三振を記録。21年のア・リーグサイ・ヤング賞を獲得した。その躍進を支えたのが2004年に横浜ベイスターズに在籍したピート・ウォーカー投手コーチだった。同コーチと取り組んだフォームの修正がその後の投球に大きな影響をもたらしているという。
「投球動作の各フェーズを見直してコンパクトにしました」
修正点で大きなポイントはどこか。水を向けるとレイは絞り込んだ。
「体重移動ですよ。言うならば、プレートを上手く使うという感覚ですかね。軸足の太腿と臀部の筋肉がピンと張るように最後は足を蹴り上げてマウンドの傾斜から前へと降りていく動きを意識しています」
プレートの踏み位置も変えている。一塁側に軸足を置き、着地する踏み込み足のつま先が内側へ向く“インステップ”になった。左打者には体を目がけて投げてくるかのような見え方になり、タイミングが取りづらくなる。大谷は外角へのスライダーに腰が引けたスイングになりレイの術中にはまった。「特別な何か」をしなかったのは、築き上げたフォームがしっかりと機能している証であろう。
レイが続けた。
「Dバックス時代の僕は制球が課題でした。トロントではウォーカー投手コーチと相談をして修正をしたフォームですが、手短に言えば、投球動作の各フェーズ(段階)を見直してコンパクトにしました。きっちりとしたノーワインドアップがその中にあります」