◆JERAセ・リーグ 中日5―0DeNA(7日・バンテリンドーム)

 超人的な強肩でチームを救った。岡林がわずか数秒で同点の危機を歓喜へ変えた。1―0の7回1死満塁。大和の飛球は右翼ファウルゾーンへ。タッチアップに十分な距離。ところが、半身で捕球した岡林が一気に体をねじらせ、本塁へ“剛速球”。ノーバウンドで捕手のミットに届き、三塁走者・楠本の本塁突入を阻止した。記者も鳥肌が立つほどの衝撃返球。このワンプレーが勝利を決定づけた。

 菰野高では最速153キロの投手としても活躍。中日には二刀流も視野に入団した。今年2月のキャンプでは根尾、石川昂らとブルペン入りし、力感なく146キロをたたき出した体の強さを持つ。首脳陣は前半戦、根尾の投手計画を進める一方で、“万が一”投手がいなくなった場合は「投手・岡林」もあると本人に伝えていたほどだ。

 4回2死一、二塁の右前安打でも本塁好返球で先制点を阻止。この日2補殺で、今季6補殺はリーグ単独トップに。本人は「補殺が多いということは(次の塁へ)回られてるということ。いい意味で“補殺0”を目指す」と言うが、岡林の送球シーンは魅力だ。首脳陣は、来季の二塁挑戦の方針を固めているが、外野の守備範囲、判断力、そして肩はリーグ屈指。一人の野球ファンとして、岡林の外野守備を見続けたい思いはある。(長尾 隆広)