コンクリートが硬化する際には、水とセメント等が水和反応し水和物が生じます。この水和反応に伴い発生する反応熱を、水和熱と言います。

水和熱によってコンクリートの温度は上昇し、コンクリートのサイズ規模が大きい場合は90℃程度に達することもあります。

コンクリートは温度が高くなると膨張し低くなると収縮することから、コンクリートでは水和熱による温度上昇に伴う膨張と、その後の温度降下に伴う収縮が起こります。

この際、コンクリートが自由に収縮できない状況(外側が拘束され収縮できないような状況)にあると、コンクリート表面に引張の力が働き、ひび割れ(温度ひび割れ)が生じてしまうことがあります。

このため、温度が上がりやすい大きなコンクリート(マスコンクリート)では、温度ひび割れの発生を防ぐために水和熱抑制対策を講じる必要があります。