西武内海哲也投手(40)が、今季限りで現役を引退することが15日、分かった。

今日16日、発表される。03年ドラフト自由枠で巨人に入団。エースとして、通算6度のリーグ優勝に貢献した。最多勝2度、最多奪三振、ベストナインなど、数々のタイトルを獲得。09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では世界一も経験した。18年オフにFAの人的補償で西武に移籍。今季からは投手兼任コーチを務めたが、40歳を区切りにマウンドに別れを告げることを決断した。

「ちょっと、話があるから、聞いてくれる?」。家族6人でテーブルを囲んだ6日の夜、内海は妻聡子さん、4人の子どもたちを前に静かに語りかけた。震える声、かしこまった雰囲気を察し、子どもたちの顔が引きつる。「今年で引退するわ」。そう伝えると、全員がボロボロと涙を流し、リビングにおえつが響いた。

開幕前から引退を覚悟した上で、プロ19年目のシーズンに臨んだ。移籍1年目の19年は故障で1軍登板はなく、20、21年はそれぞれ1勝。ここまで西武での最多登板は、20年の4試合だった。契約更新を提示してくれた球団に感謝の思いを持ちながら、今季1軍の戦力になれなければ、ユニホームを脱ぐと決めていた。

今季は初登板だった5月7日の日本ハム戦で通算2000投球回を達成。同21日の日本ハム戦にも先発した。40歳での白星は逃したが、登録抹消後も2軍で懸命に調整。12日の楽天戦から中継ぎで再昇格した。シーズンが続く限り、チームのために腕を振る意向だが、引退の決断は揺るがなかった。