一部メディアやネットは、おかしな方向に世論を誘導しようとしていないか。 安倍氏は暗殺された。理不尽な事件の被害者は安倍氏であり、加害者は犯人である。この事実は、何があっても揺るがない。 ところが、一部メディアなどの発信を眺めていると、奇妙な感覚にとらわれる。まるで、「安倍氏にも問題があった」「本当の被害者は犯人ではないのか」と匂わせるような報道・言説が流れている。倒錯している。異常な光景だ。 これを放置すれば、「殺されても仕方なかったね。あの人も悪いのだから」という狂気じみた論理がまかり通る。政治家は暗殺を恐れ、大衆の前で自らの主張を展開できなくなる。これこそ、民主主義の否定である。 われわれが為すべきは、民主主義を守り抜くことである。そうした常識も覚悟も持たない者は恥を知れ。難しいことを言いたいわけではない。誰が加害者で、誰が被害者かを、もう一度、冷静に考え直すべきだ。 詭弁(きべん)を弄して、「安倍氏さえ批判すればいい」「自民党を批判できるなら何をしても構わない」といった論理に、一部メディアは立っていないか。