――朝5時から練習するそうですが、選手が自主的に?

「半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは21時くらい。本当に遅いときは23時くらいまでやることもあります。
毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。
少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」

――野球と勉学の両立は無理と?

「無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいですけど、絶対逃げてますからね。東大を目指す子が2時間の勉強で受かるのか。10時間勉強しても足りないのに」

――文武両道は二流だと?

「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やってますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。“練習2時間で甲子園”って。2時間って試合時間より短い。
長くやればいいってことではないけど、うちは1日1000本バットを振っている。1001本目で何か掴むかもしれない。なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力のスポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。
100点取ろうが、3アウト取らないと終わらない。2時間練習して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。
スポーツ庁が(部活動の休養日や時間の制度化を検討し)練習を何時間以内にしようと言っているでしょ? あんなんやられたら、うちみたいな学校は、もう甲子園に出られない」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/211366/4



午前5時からの朝練を廃止し、部員の睡眠時間に充てた。夕食後は外部からトレーナーを招いてウエートトレーニングに力を入れた。

背番号1の左腕・古賀康誠と、背番号6の仲井慎は、球速が以前より約10キロ増えて140キロ台を叩き出すなど、効果があったという。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/07/29/kiji/20220729s00001002011000c.html