連敗を8で止めた阪神で、メル・ロハス・ジュニア外野手(32)がヒーローとなった。18日のヤクルト戦(神宮)の3回二死一、二塁から相手先発・サイスニードの151キロを完璧に捉え、右翼席へ8号先制3ラン。「ホームランという最高の結果になってうれしい」と会心の笑みで、チームメートの手荒い祝福を受けた。

 これで8月は打率3割6分6厘、4本塁打、9打点と絶好調も、実はこの助っ人、一度は〝見切られて〟いる。3日の巨人戦で代打で凡退、この時点で打率2割を切ると、首脳陣は二軍降格を決断していた。

 そもそもが「働いて当たり前」の推定年俸2億6000万円の2年契約で2021年に来日。1年目は60試合で打率2割1分台、8本塁打、21打点と期待を裏切り、契約最終年となる今季は〝真価〟が問われていた。だが2年目も、今季2度目の抹消。残り試合を考えれば「ここまでか…」と見られていた。

 ところがだ。5日に主砲・大山がコロナ感染のために抹消されると、代替登録選手で一軍から〝お声〟がかかる運びとなった。命拾い!? した助っ人はその後、大ハッスル。5日から10試合で4発9打点。主力勢が相次いでコロナ感染で離脱し、得点力不足が深刻になったなか、13日の中日戦から3、4番の中軸を任させられるなど目下「外せない男」となっている。

 この覚醒がいつまで続くかはもちろん〝来季〟にも、絡んでくるところ。もともとが高年俸の助っ人だけに条件面の見直しは不可避だが、人柄はナイスガイ。不振でベンチで温める日々が続いた間も、イニング間の味方野手とのキャッチボール役を買って出るなど、その姿勢は常に献身的で、首脳陣やナインから「ジュニア」「メル」の愛称で親しまれている。

 8月になりチームへの貢献度を急上昇させた男は、このまま右肩上がりでシーズンをフィニッシュすることができるか…。

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