0001それでも動く名無し
2022/08/25(木) 13:54:23.34ID:9HtPwAXP0■「プライドの高い奴だな」先輩は内心戸惑った
先輩「先方は怒ってないって言ってくれてるからさ。こっちからも一言謝っておこうか」
エイジさん「……」
先輩「『お昼ごろに行きます』って言われてたのに、昼ご飯食べに出ちゃったんでしょ」
エイジさん「……」
先輩「今後の関係もあるから、一応謝ったほうがいいと思うんだよ」
エイジさん「……」
エイジさん(仮名、37歳)が1人で事務所の留守を預かっていたときのこと。来客から「昼ごろに行く」と伝えられていたにもかかわらず、エイジさんは正午過ぎに昼食を取るために部屋を施錠して外出してしまったのだ。来客は待ちぼうけを食わされた挙句、そのまま帰ったという。
後日、先輩とエイジさんが仕事のため都内の道路を車で走行中、このトラブルのことが話題になった。助手席から謝ろうと諭す先輩。それに対してハンドルを握ったまま無言のエイジさん。次第に車内の空気が険悪になっていった。
「プライドの高い奴だな」。先輩はそう思って内心戸惑ったという。一方のエイジさんは何を考えていたのか。
先に種明かしをすると、エイジさんは発達障害の特性を持っている。「お昼ごろ」というあいまいな指定ではなく、「〇時ごろ」と具体的な時刻を伝えられていれば、行き違いは生じなかったかもしれない。とはいえ、トラブルは現に起きてしまった。エイジさん自身も来客に迷惑をかけたという自覚があった。
どちらかというと口下手なエイジさんがぽつぽつとこのときの心情を振り返る。
「僕にとっての『ごめんなさい』は、『なんでも言うことを聞きます』と言うのと同じくらい重大なことなんです。相手から『土下座しろ』『殴らせろ』『金を出せ』と言われたら、その通りにしなければいけない。そんなふうに考えてしまうんです」
果たして自分のミスはそこまでのことなのか――。そんなふうに頭の中で考えているうちに、はたからはだんまりを決め込んだように見えてしまった。
後になってエイジさんの言い分を聞いた先輩は安堵とあきれの入り混じった口調でこう返した。「そんなわけないじゃん。今まで謝った人から『殴らせろ』なんて言われたことあった?」。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f1d4f002eb75bd6881216137084e4051d7d861ff