飲食店などでの原則禁煙を義務化した改正健康増進法は個人の尊重を定めた憲法13条などに違反するとして、喫煙者の男性が200万円の損害賠償を国に求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。新谷祐子裁判長は「必要かつ合理的な規制で憲法に違反しない」として請求を棄却した。

 訴訟で男性は「喫煙を楽しみながら飲食する自由を一律に制限した」「受動喫煙を防ぐ必要はあるが、喫煙専用店を認めればよい」などと訴えていた。

 判決は、健康に大きな影響を与えることが明確な受動喫煙を防ぐのが同法の目的だと指摘。店舗でも、受動喫煙の被害が小さい屋外は対象外とするなど、合理的な範囲にとどめた規制だとした。「喫煙専用店」を認めれば、その店で受動喫煙が生じうるため、「法の目的に沿った規制とはおよそ認めがたい」と述べた。(田中恭太)

朝日新聞2022年8月29日 17時14分
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