金融庁が、インターネット掲示板「2ちゃんねる」創始者で人気ユーチューバーのひろゆき(西村博之)氏との対談動画を公開し、ネット上で批判の声が多く寄せられている。ツイッターでは、2ちゃんねるを巡る民事訴訟の賠償金を支払っていないとされるひろゆき氏を起用した金融庁の姿勢に疑問を呈する声が続出。鈴木俊一金融担当相は26日の会見で「報告を受けておらず、的確にお答えできない」と述べた。

 動画はお金に関する知識や資産形成などをテーマに高田英樹総合政策課長との対談形式で前編と後編があり、ユーチューブに公開されている。ひろゆき氏は動画内で少額投資非課税制度(NISA)について「税金払わなくてよくなるので、枠を使い切るまではNISAで全部やっておけばとアドバイスしている」などと話している。

 この動画に対し、ツイッターでは「ひろゆきを起用した金融庁には倫理でどうこう言われる筋合いはない」「官僚のアタマどうなってるんや」といった反応が出ている。

 ひろゆき氏は6月の自身の動画で損害賠償の支払いをしていないとされることについて、「悪いと全く思っていない。法律が間違っていた」「2015年ごろに時効になっている」などと語っていた。

 金融庁によると、ひろゆき氏に出演料は支払っていない。同庁はネット上の批判について「個別の民事裁判の詳細を承知しているわけではない」とした上で、「さまざまな批判は受け止め、今後も広報のあり方を改善していく」と語った。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/198212