【焦熱地獄】

殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語に加えて、仏教の教えとは相容れない教義を信じ(神仏習合の例もあるように、単なる異教崇拝とは違うらしい)、その誤った考えを民衆に広めて、また実践した結果、自分も含めた多くの人の生命や財産を損じた、「邪見」の罪が加わった者が落とされる。

大叫喚地獄の下に位置し、その10倍の苦を受ける。常に極熱の火で何度もあぶられ焼かれ焦がされ、その苦しみがずっと続く。罪人たちは地獄の鬼たちに打たれ続け、赤く熱した鉄板の上で鉄串に突き刺されたり、目・鼻・口・手足などを肉だんごのように分解され、それぞれを炎で焼かれる。この焦熱地獄の炎に比べると、それまでの地獄の炎も雪のように冷たく感じられるほどで、豆粒ほどの焦熱地獄の火を地上に持って来ただけでも地上の全てが一瞬で焼き尽くされるという。

人間界の1600歳は、他化自在天の一日一夜として、その寿1万6000歳である。その1万6000歳を一日一夜として、この地獄での寿命は1万6000歳という。これは人間界の時間で5京4568兆9600億年に当たる。