中日は31日に行われたDeNA戦(横浜)に2―3で逆転負けした。2度のリードを奪いながら勝野昌慶投手(25)が2本の同点ソロを浴び、6回に勝ち越された。打線も好機であと一本が出ず、自力でクライマックスシリーズ(CS)に進出する可能性がなくなった。立浪和義監督(53)の苦悩は深まる一方だ。

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 やられっぱなしにも程がある。先制しながらもその後に打線が攻め切れなければ、先発の勝野も中盤に踏ん張れず逆転負け。DeNA戦は3勝14敗1分け。横浜では1分けを挟んで5連敗と完全に泥沼だ。

 「本当に良いようにというか、なめられたような戦いになっている。これだけ打てないと、どんどん相手も攻めてくるだろうし」。ふがいない現状に立浪監督はじくじたる思いを吐露した。

 苦闘を象徴するシーンが1点を追う8回1死一塁で迎えたビシエドの打席。一発出れば逆転の場面で、ましてや4番。1ストライクから伊勢は内角への147キロの直球でストライクを奪う。「普通では、あのケースで4番にインコースというのは考えられない配球なのでね。ここに投げておけば大丈夫だと思われないようなスタイルにしないと」と指揮官。虚をつかれたようなビシエドは続く外角直球を空振りし、3球三振に倒れた。

 同点で迎えた6回無死一塁の場面でも2ボールから一邪飛。この日は4打数無安打で、今季は横浜スタジアムで30打数3安打。6、7月は3割を超えた月間打率も8月は2割4分1厘で、本塁打は0で終わった。

 逆境の4番について、立浪監督は「今はずっと状態が悪いのでね。それでも何とかできるようにやっていかないと。代わりに4番を打つ人がいないので」と鼓舞する。ビシエドも「なんとか明日ここを抜け出して打てるように全力で頑張りたい」とコメント。4番はチームの顔であり、チームの勝敗を一身に背負う。自らの手で立ち上がり、結果を残すこと以外、事態は好転しない。

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