ペナントレースは佳境だが、セ・リーグでは首位ヤクルト、それを追うDeNAからも大きく引き離されているのが、原辰徳監督(64)の率いる巨人だ。超大物OBからついに“退場勧告”が突きつけられた。

「今の原がやるべきこと? 巨人の監督を辞めることですよ」

 そう切り出したのは、巨人の名遊撃手として活躍し、監督としてヤクルト、西武で4度のリーグ制覇、3度の日本一に輝いた広岡達朗氏(90)だ。

 昨季は終盤に大失速して3位に終わった巨人だが、今季もV奪還は絶望的な状況だ。2強4弱でクライマックスシリーズ(CS)圏内の3位は狙えるものの、8月28日には5位に転落。47年ぶりの最下位さえあり得る。

「巨人は日本シリーズに出るのが当たり前で、負けたら監督はクビ。そのために選手を鍛える。だから巨人はずっと、厳しい球団だと言われてきた。それなのに、原は全く違うことをやっている」(以下、「 」内は広岡氏)

太った選手ばかりだ

 8月11日には不振の主砲・岡本和真(26)が6番に降格。昨年、暴力事件があって日本ハムから移籍してきた中田翔(33)が4番で起用された。

「よその球団が育てた4番を獲ってくることの繰り返しをやっているから、若手が育てられない。中田に才能がないとは言わないが、あんなに太った体じゃ巨人の顔ではない。日本ハムにいられなくなった時、どこも手を挙げなかったなかで獲得して、4番に据えている。それによって若手が何人、犠牲になっていることか。

 岡本についても、コーチ陣が一緒に悩むどころか、“今日は変化球に絞るか真っ直ぐにするか”というヤマ勘打法を教えているだけ。たまに読みが当たればボールが飛んでいくが、外れると空振り。気楽な打順で打たせても、これでは同じことの繰り返しですよ」

 昨年まで2年連続で本塁打、打点の二冠に輝いた岡本だが、今季は同じ三塁手で三冠王に突き進むヤクルト・村上宗隆(22)に水をあけられた。

「村上はいい素材をチームがさらに伸ばしている。青木宣親(40)らがしっかりと教えを施している。本来、岡本は村上と同じぐらいの素材だが、コーチやチームメイトからまともな教えを受けていない。それに、あのブクブクとした肉体はなんですか。このままではあと2~3年で終わってしまう。岡本は日本ハムに行って、新庄(剛志・監督)の下につけばいい。清宮(幸太郎)と同じように“お前、もっと体を絞れ”と言われるべき状態です」

 主将のショート・坂本勇人(33)も、今季はヒザや腰の故障で何度も戦線を離脱。同じポジションだった広岡氏だけに、厳しい評価を下す。

「今の巨人の内野陣は嘆かわしい。ランナー一・三塁で内野ゴロに打ち取っているのに、ゲッツーが取れずに1点を与えている。坂本にしても、捕れる球だけ捕っていて、二遊間のゴロに手が届かないと思ったら追わない。それなのに原は坂本のライバルも作ろうとしないのだからね……。昔はあんなに休んだら戻るポジションはなかったですよ。しかも、原はとにかくオーダーもポジションもコロコロ変える。そんなことをして選手が育つわけがありません」

 昨オフには新たに3年契約を結び、原体制があと2年は続くことになる。

「オーナーはあと2年で次の指導者を育ててほしいという。選手を育ててもいない原に何を教えてもらうのでしょうか」