プロ野球ドラフト会議までおよそ1カ月半。高松商・浅野翔吾外野手や近江・山田陽翔投手ら、今年も甲子園で活躍したスターたちがプロの世界へ足を踏み入れるときが近づいている。そんな折、高校球界から「あそこにはウチの子は行かせたくない」と総スカンを食っている球団があるという。

この夏の甲子園にも出場していた野球名門校の監督は複数の指導者の気持ちを代弁するように語気を強めて指摘する。

「正直、中日さんだけは勘弁してほしい。選手が育っていないというか。みんな入団して数年経つと似たような、当てて転がして足と守備で稼ぐタイプになっている。今年の1軍の成績を見てもそうじゃないですか。選手が持っていた長打力を台無しにするような指導やチーム作りをしているとしか考えられない」

この監督が指摘する通り、7日現在セ・リーグ最下位に沈む中日は、チーム本塁打数12球団ワーストの58本。ネット上で比較対象に挙げられるのは、チーム単位ではなく3冠王に驀進するヤクルト・村上宗隆ひとりの52本というのも皮肉が効いている。これまでも大阪桐蔭から鳴り物入りで入団した平田良介外野手(34)や東海大甲府時代に通算71本塁打を放ち、左の大砲と期待された高橋周平内野手(28)ら高校時代は屈指の長距離打者だった選手がアベレージタイプへの転向を余儀なくされてきた。