彡(゚)(゚)「今日は…やきうが…」
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彡(゚)(゚)「セ・リーグだけなんやな!」
彡(゚)(゚)「ここからはどこも怒涛の日程やな…」
彡(゚)(゚)「ワイがやきう無くてつまらん思いをすることもしばらく無くなるわ」
彡(゚)(゚)「ん…?なんやこの感覚は…?」
彡(゚)(゚)「セ・リーグ…ワイにセ・リーグの選手の記憶が流れ込んでくる…ッ!」
※ワイくんはやきうが好きすぎてやきう選手の思考や記憶を盗聴できるのだ! 初めてのオールスターは最初から最後まで忙しかった。
PayPayドームに向かう道中、すぐにあいつに会った。
「よっ!楽しみやな」
好きな人と一緒にオールスターに出られる幸せを噛み締めながら、
他愛もない雑談をしつつ一緒に会場まで歩いたのだった。 試合前。
「何すかこれは?」
即席の質問企画で無茶振りをする。
「好きな野球選手を教えてください…」
俺って言ってくれないかな。
俺って言って欲しい。
「…が好きだ~と♪叫び~たい♪」
言ってくれた。
言ってくれた。
いや、思い上がるな。
ただの企画名に沿った100点満点の回答だ。
さすが関西人、芸人になれるんじゃないか。
でも赤くなっていく顔と早まる鼓動は抑えられない。
バレてないといいけど。 そうこうしているうちに、あっという間に二日間の催しが終わった。
普段他チームで活動しているあいつとこんなに話せたのは初めてかもしれない。
嬉しい気持ちもたくさんあったが、
それと同じくらい、あいつが他の選手と話している時に感じる嫉妬で胸が痛かった。
普段同じチームだからここでまで話さなくていいじゃないか。
外人と話せないだろ。
そいつとは神宮でいざこざがあっただろ、俺と話そうよ。
そんなことを思ってしまう自分に嫌気がさす。
もっと近くにいたい。
もっと必要として欲しい。
もっと、もっと…。 「おつかれ」
頭の中でそんな反省会をしながら歩いていると、あいつに声をかけられた。
「バスまでやろ?一緒に行こうや」
二人並んで歩く。タイミングがずれて周りに他の人はいない。
「ほんまに二人きりで話せるのは二日間で初めてやな」
会うまであんなことを考えていたからか、
いつもは自然と俺から話を振るが、なかなか話題が出てこない。 「楽しかったけど、成績はあんまりやな。もっと打たへんと」
俺もだよ。
「ホームランダービーもダメダメや、一本ってなあ」
俺もだよ。
「試合も犠牲フライだけやったし…」
俺もだよ。
「俺らめっちゃ同じやな!」
そうだね、運命かも。
「なあ、…昨日のあの企画の時やけどさ」
ん?
「俺に好きって言われて嬉しかった?」
…
「めっちゃ赤くなってたやろ。わかってたで」
…
「俺もドキドキしてたんやけどな、顔に出ないタイプやから」
「なあ、着いちゃう前に言うで、いや…やっぱ言わへん、その」
…なんだよ。
「ごめん、我慢できひん」
あいつは俺の前に来て、少しかがんで、キスをした。
硬い顎髭が顔に当たっている。
今まで見たことのないくらい近くに、顔の肌が目に入る。
かっこいいな。
もう少し唇は硬いのかと思ってた。
一瞬だった。
「すまん、今日だけな、忘れて」
俺はバスに着いて別れるまで何も言えなかった。
あいつはオールスターの間、何を考えていたんだろう。
何を思いながら野球をしているのだろう。
俺を見た時、俺と話している時、何を思っているのだろう。
それを知れる時が来るのだろうか。
松山の夜は依然暑く、頬に一筋の汗が垂れるのを感じた。 ~~~♪
君の吸い込んだ空気で
消えてしまいそうです
未完成で 低姿勢で 気持ち任せです
乱暴に手を振った
気配に負けそうです
君のSOSは僕のものって 思い込んだ夏
~~~ずっと真夜中でいいのに。「消えてしまいそうです」 それから2ヶ月ほど経って、何も進展は無い。
会えば今まで通り他愛もない話をする。
LINEでもあの日には触れない。
季節は夏から秋に変わろうとしている。
季節が変われば俺たちも何か変わるのだろうか。
今日の試合は…
巨人(戸郷くん)vs中日(大野さん)
18時 東京ドーム
ヤクルト(小澤さん)vs広島(大瀬良さん)
18時 神宮
横浜(大河さん)vs阪神(藤浪さん)
18時 横浜
今日は久しぶりにあいつに会える日だ。
周りに誰かいても、あの日のことを聞いてしまおうか。
そんないじわるな企みをしながら、今日も青いユニフォームに袖を通した。
To be continued... すまんがワイはマキテル派なんだよな
テルの誘い受けや ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています