立浪監督は明らかに怒っていた。4度の走塁ミスで得点できない上、守備のミスで決勝点を奪われる。20歳の高橋宏を援護できず、被安打1で黒星。球団ワーストを更新する26度目の零封負けを喫した。

 次々に起こる予想外の事態に指揮官の怒りの沸点は超えていた。

 「これはもう野球勘にもつながる問題」

 先制の好機は2回2死二、三塁。土田はセーフティースクイズを試みた。マウンドから駆け降りたDeNAの先発・ガゼルマンは、やや三塁側に転がった打球を処理。ここで三走の木下は三本間で急ブレーキをかけた。

 「サードランナーがあそこで止まって、何かが起こるのかという話」。なぜ、止まったのか―。木下が戻った三塁には、二走のA・マルティネスが来ている。ガゼルマンは遊撃・森へ送球。ここで木下は本塁へ走ったが、森からの本塁送球で憤死した。

 ミスはミスを呼ぶのか。5回1死二塁では土田の一直に、二走のA・マルティネスが飛び出して併殺。6回は一走・岡林がけん制死した。

 決勝点を奪われたのは7回。1死一、三塁で先発・高橋宏は宮崎を三ゴロに打ち取った。ベンチの指示は併殺。三塁・阿部は本塁を見て、ハッとわれに返って二塁を見る。ここから、再び本塁送球へ切り替えたが、時すでに遅し。三走・関根の生還を許した。決勝点になった。

 「(阿部は)準備があればああいうことは起こらなかった。走塁ミスも含めてありとあらゆるミスが出た。見に来てくださった方に申し訳ない試合。自分たちの指導も含めて、こんな時期にこんなミスをしているのが一番いけない」。立浪監督は悔やみ、怒り、ファンへ謝罪した。
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