昨季は5位に終わった中日。その原因が、慢性的な得点力不足にあることは衆目の一致するところだろう。昨年の状況を見ると柳裕也、大野雄大らの先発陣、絶対的守護神R.マルティネスを擁する救援陣や木下拓哉が活躍した捕手はポジティブな要素ではあるものの、守備力の高い京田陽太が守る遊撃やビシエドのいる一塁で平均レベル、その他の二塁、三塁、外野の得失点貢献は大幅にマイナスで弱点となっていた。またレギュラー格の選手にベテランが多く、世代交代の起爆剤を期待された2018年ドラフト1位指名の根尾昂も定位置を確保するような活躍を見せられていない状況で、若い選手による攻撃力不足の解消が中日の至上命題ともいえる状態だった。

 この状況下で21年ドラフトでは、身体能力が高くパワーとスピードでの貢献が期待できる上武大のブライト健太を1位指名。さらに大学屈指のスラッガーである鵜飼航丞を2位で指名するなど指名の多くを野手で固めた。これらの選手や先述の根尾、19年1位指名の石川昂弥ら有望な野手の成長と活躍で、打撃力向上を狙っていることがうかがえる指名だった。

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