"世界の王"の55号に肩を並べて時の人となり、一挙手一投足をカメラに追われるようになった村上。この日の試合前にウオーミングアップでグラウンドに姿を見せると、一目散に向かった先はまだ打撃練習中の坂本のもとだった。

坂本も別の意味で時の人といえる。10日に週刊誌で私生活の醜聞が報じられて以降、周囲も気を遣っているのか、グラウンド上で自軍を含め他の選手らと談笑する姿はまれ。前夜19日のDeNA戦では7回で途中交代を命じられ、原辰徳監督(64)に「勇人はもう少し気が出てこないといけませんな。打つことって簡単ではない。凡打したときにどういう精神状態でいるか、というのは非常に重要なことだね」と苦言を呈されるなど、踏んだり蹴ったりの状況だ。

いかに東京五輪の日本代表やオールスターで三遊間を組んだ間柄とはいえ、10歳以上も年上の大先輩がそんなピリピリした状況にある。それでも臆する村上ではなかった。多くの視線が注がれるなか、談笑は約5分間も続いた。