ボートレースの131期修了記念競走が22日、福岡県柳川市にあるボートレーサー養成所で行われた。
元プロ野球選手、西武ライオンズで投手として活躍し、ボートレーサーへと異例の転身を志して注目を集めた野田昇吾(29)=埼玉=が一年間の訓練を修了した。
2020年オフに、5年間在籍した西武ライオンズから戦力外通告を受けた。
再起を目指しトライアウトを受験したが、その場に居合わせた日本ハムファイターズの新庄剛志ビッグボスから「好きなことをやって人生を生きろ」と、かけがえのない言葉をもらった。それが一つの転機ともなった。
 もう一度、勝負の世界で戦いたいという強い思いから、「野球の中で身長が一番低い投手だったし、この身長を生かせる。体重さえ落とせれば何とかなるんじゃないかと」と決意した。
 野球選手時代の体重は最大で75キロ。養成所の試験までの半年に減量。「普通の減量では間に合わないので、何も食べず走り込んでサウナ。危険なやり方ではあるが、ここまで落とすことができた」と、現在の54キロにまで絞り、養成所に入所し、レーサーへの道を作り上げた。
 一年間の締めくくりとなった修了記念では、4R「特別選抜戦」の1号艇で登場。インからまくられる形となったが、2着でゴール。
「ようやく養成所の一年が終わったんだなと実感がわいてきた。(2着は)これが今の僕の実力と真摯(しんし)に受け止めたい」と結果に一喜一憂することもなく、落ち着いた口ぶりで話した。
 11月3日に、西武時代から愛着のある埼玉県の、ボートレース戸田で開催されるシリーズでデビューを迎える。
「まだ勝負できるレベルではない。とにかく事故をせずに、一走でも多く走って自分のレベルアップをしていきたい。ファンの方に応援されるような選手を目指して頑張っていきたい」と抱負と目標を語る。ボートレーサー野田昇吾としての人生がスタートする。
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