松井氏には巨人への複雑な思いもある。メジャー3年目の2005年出版の単行本『ヒデキマツイ』(朝田武蔵著、日本経済新聞社)でのインタビューで本音を明かしている。

〈ジャイアンツは読売新聞の広告塔に過ぎないんじゃないですか。初めてそう思ったのは、僕が日本にいた最後の年です。ジャイアンツのユニホームは、ホーム用はジャイアンツ、ビジター用は東京です。伝統あるユニホームですよ。最後の年、それが読売になった。あれはがっかりしましたね。六十何年という日本で最も歴史のあるチームなわけでしょ。そのユニホームを変えちゃうということには、すごいショックを受けました〉

 巨人からヤンキースへのFA移籍について、父親が読売に抱いた不信感も語っている。

〈僕は分かんないんだけど……。確かなことじゃないんだけど……。親父がそう思ってるだけかもしれないけど……。松井秀喜を読売の支配下においてヤンキースに行かしたいというような話ですよ。早い話が、首に縄つけてやらしておきたい。なんかあったらビッと引いておきたいと。ヤンキースとジャイアンツは提携してますから、読売の方からいろいろ手を回したりしたんじゃないか、と親父は思ってるんです〉

https://news.yahoo.co.jp/articles/811ad1645c74b87b4707b19fd35a97338e097db6?page=2