>>77
はえー

本作の世界観は仏教思想をモチーフにしており、物語のテーマは救済と解放。
釈迦の教えを厳格に実行することで自己の救済を追求する上座部仏教と、
利他行の精神をもって一切衆生の救済により自身の成仏を目指す大乗仏教の対比を、
厳格な実力主義社会で生きる鬼たちと人助けを重んじる桃太郎一行の対立によって描いています。
必ずしも勧善懲悪としてではなく、等しく苦悩する生きとし生けるものとして、
鬼と人が手を取り合って共存の道を探っていく物語です。

しかし、作中に登場する「しょうけら」や「きなこぼう」といった一部の敵は、
倒すことで体力や技の数を回復したり呪いを解いたりでき、
利他行を重んじる大乗仏教の精神に矛盾します。
攻略本「桃太郎伝説 速攻本」によると、これは本作の制作期間が実質4か月しかなかったために、
適切な難易度の調整のため設けざるを得なかった仕様であるとのこと。
家庭用ゲームが大衆化されていくSFC黎明期に開発者が抱えていた苦悩も等しく垣間見える部分です。