楽天石井一久GM兼監督(49)が、来季もGM兼任で指揮を執る方針であることが29日、分かった。兼任監督2年目の今季は4位以下が確定。最大貯金18から失速し、昨年に続くCS進出は逃したが、ここまで69勝69敗3分け。球団史上初となる2年連続貯金の可能性を残している。18年9月にGMに就任。球団から全幅の信頼を寄せられ、20年オフに監督を兼任する形で複数年契約を結び直していた。

 就任2年目を迎えた同GM兼監督は、日々の戦いだけでなく、中・長期的な戦略にも注力してきた。武藤や黒川など若手有望選手は1軍で途中出場の機会を待つより、2軍でレギュラーとして試合に出場させ続けることを選択。明確な課題を与え、鍛えることを求めた。一方で、大卒の西垣や独立リーグ出身の宮森は、1軍の勝負どころの場面で起用。西口や鈴木翔らも台頭してきた。生え抜きの底上げを図る一方で、外部からの血も導入した。昨オフには日本ハムをノンテンダーとなった西川を獲得。序盤の快進撃の要因となるとともに、チーム全体として走塁への意識も向上。チーム盗塁数は昨季の45から、141試合時点で97に増加した。また、外野の定位置争いが激化したことで辰己の成長にもつながった。

 CS進出こそ逃したが、まいた種は少しずつ実になりつつある。来季は兼任監督3年目。順位は3位、4位以下となり、確実に結果が求められる1年となる。10年ぶり、球団史上2度目のリーグ優勝と日本一へ。不動心で突き進んでいく。