人気長寿番組「笑点」(日本テレビ)で腹黒のいたずらっ子を演じ続け、落語界の統一と大名跡・円生(えんしょう)襲名への意欲を持ち続けた六代目三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく)さんが亡くなった。

晩年は病気に苦しめられたが、最後までその思いが消えることはなかった。

現在、落語界は東に落語協会、落語芸術協会、五代目円楽一門会、立川流、そして西には上方落語協会の5派がある。

若き日に落語界分裂を経験したことから、「東も西も、落語界が一つになったらいい」という思いを形にしたのが、自らプロデュースを務め、2007年から毎年秋に開く「博多・天神落語まつり」だった。

5派の重鎮から実力派、爆笑派、いきのいい若手らに声をかけ、年に一度の「落語界オールスター戦」を実現させた。

10年、六代目円楽を襲名。この後の10年余りで円楽の名は五代目から六代目の名前にすっかり定着した。そして円楽さんは落語にも磨きをかけ、17年には落語芸術協会の客員となり、悲願だった寄席出演が可能に。

今では落語芸術協会主催の寄席に円楽一門会、立川流の落語家が出演できるまでに雪解けは進んできた。また、落語協会分裂騒動で分かれてしまった六代目円生一門の仲直りを進めることができた。

ここ数年は自身の病と闘い、その様子も隠すことなく、落語界の将来に統一が必要だという自説を曲げることはなかった。

そして、コロナと病気がなければ、弟子の伊集院光さんとの「親子会」で全国を回るはずだった。これも落語人気を盛り上げる策の一つだったのだろう。

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