球団も本人も納得済みの“円満離婚”。1日には、筑後の二軍戦後にセレモニーが行われ、小久保二軍監督、工藤前監督から花束を手渡されると、ナインによる胴上げで宙を舞った。

 球団OBが「本来は一軍で盛大なセレモニーを行う予定もあった」と、舞台裏を明かす。

「ソフトバンクにとって、松田は功労者の大ベテラン。当初、球団は一軍で華々しく送り出してやろうと考えていたが、当の松田が『優勝争いをしている一軍に迷惑がかかる』と、これを拒否。ならば、二軍最終戦の10月2日に……と本人に持ちかけたら、『二軍には二軍のセレモニーがあるでしょう。僕個人のことでそれを邪魔したくない』と固辞され、最終戦前日に行うことになった。球団もせめて、その日の二軍戦だけはペイペイドームで……と伝えたら『それだと相手の中日の迷惑ですよ。福岡で試合した翌日に最終戦の筑後に移動だとバタバタでしょう』と、譲らなかった」

 中日・福留、阪神・糸井、ヤクルトの内川・嶋・坂口ら、盛大な引退セレモニーが続いたが、それらはいずれも球団が彼らの功績に報いたもの。自分からねだるものではない、ということだ。