広島市東区の牛田中3年安倍謙考(あきたか)さん(15)の手元に9月下旬、「15」の数字が入ったサインボールが届いた。贈り主は元広島東洋カープ投手の黒田博樹さん(47)。登下校中に1人で続ける通学路の清掃活動を、黒田さんが偶然見かけたのがきっかけだった。「憧れの存在」と出会った一日を物語るボールは今、安倍さんの宝物だ。


 9月のある朝。安倍さんがいつものように道端のごみを拾っていると、サングラスにマスク姿の男性が近づいてきた。背が高く、がっちりとした体格。 「拾います」。男性は言い、一緒にごみを集めてくれた。別れ際、男性が「誰か分かる?」とサングラスを少しずらし、安倍さんはのけ反った。「えっ、なんで。まさか。こんなところで」。すぐに、あのレジェンドだと分かった。

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