防衛予算の大幅増額をめざし、防衛省がユーチューバーらに「厳しい安全保障環境」を説明する計画をめぐり、
岸信夫防衛相は5日の閣議後会見で「インフルエンサーと呼ばれる方々に、まず理解をして頂けるような説明を行うことは重要だ」と述べ、
計画の存在を事実上認めた。

 同省関係者によると、計画は9月に省内に示された。文書には「防衛予算の大幅な増額を実現する」ことを目的とし、
「国民に影響を有する」「防衛・安全保障が専門ではない学者、有識者、メディア関係者」の推薦を省内に求めた。
具体例として、テレビのニュースや情報番組に出演する有識者や芸能人、ユーチューバーらを挙げていた。

 計画を進めるかどうか聞かれ、岸氏は「我が国の防衛力の整備について、国民の皆さんに広く理解を求めていくことは必要」と回答。
そのうえで、「国民の中には専門的な知識をお持ちの方も、(専門知識のない)一般的な方も当然いる」と語った。
インフルエンサーを通じた広報の有効性を強調した形だ。

 計画をめぐっては、省内からは「あえて専門外の人に接触しようとしている。世論を『あおる』ことにならないか」(幹部)との指摘が出ているほか、
インターネット上でも「プロパガンダではないか」といった批判の声がある。

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