昨年の日本シリーズでブルペンを支えた中継ぎにガス欠が相次いでも、2軍から新たな剛腕が次々育つ環境がある。だからこそ、かつてエースを担った右腕のラブコールも一顧だにしなかった。2018年オフにフリーエージェント(FA)権を行使し、阪神に移籍していった西勇輝投手(31)のことだ。

今季中に国内FA権を再取得。水面下で他球団への移籍も選択肢に入れるべく、関係者を通じて住環境を変えずに済むオリックス復帰の可能性を探ってきたというが、「アイツがうちを出ていってから、投手陣の顔ぶれもだいぶ変わった。今さら出戻りなんて誰も歓迎しないよ。条件も合わなかったみたい」とオリックス関係者は明かす。

22日開幕の日本シリーズでは、西勇の入る余地さえない盤石の若い投手陣で、今年こそツバメ打線を抑え込み日本一をつかむ。 (山戸英州)