「フライ、ランナー三塁」「バント、一、二塁」。大久保コーチが状況と打撃内容を指示し、強化真っただ中の若手選手はもちろん、主力の岡本和や坂本、丸もバットを寝かせ、あるいはゴロを右方向に転がし、犠飛を想定した打球を打ち上げる。15通りの状況をクリアできなければ1からやり直し、ノーミスで成功するまで続ける練習。岡本和は「練習で100%にして試合できっちりできるように今からやって、来年みんなができるようにしたい」と入団後、初めて行ったという練習を振り返った。

 ケース打撃導入には大久保コーチなりの意図と責任感がある。「大事な場面でバントを失敗した選手が翌日バント練習をする、させられるのが大嫌い。失敗する前に最初からやっておこうよ」と練習段階から試合と同じ状況の打撃をする必要性を説き「練習で入れていて(試合で)できなければ俺のせい。俺が責任を取って監督に謝ればいい」と覚悟を示す。

亀井に比べるとデーブが神に見えてくる