＜フィリーズ4－3パドレス＞◇23日（日本時間24日）◇ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦（7試合制）◇シチズンズバンクパーク

　フィリーズがパドレスに4勝1勝として2009年以来13年ぶりのワールドシリーズ進出を決めたこの試合で、パドレスが9回にトレント・グリシャム中堅手にバントをさせたことを巡り、ツイッター上では記者やファンから非難が殺到している。

　1勝1敗の状況から2連敗し、あとがない状況でこの日を迎えたパドレス。3－4と逆転されて迎えた9回に、一死一、二塁の場面でグリシャムが打席に立つと、同選手への指示は犠打。これで二死二、三塁としたが、続くオースティン・ノラ捕手が初球を右翼に打ち上げてあえなく試合終了となった。

　USAトゥデーは「フラストレーションの溜まるシーズンの終わり方とは、まさにこのこと」と述べ、9回の犠打を「奇妙なバント」「唖然とするバント」と表現した。MLB公式サイトのアンソニー・カストロビンス記者は「シーズン終了まであと2アウトという場面で、バントで1つを使っちゃいけない」とコメント。成績予測システムZiPSの開発者ダン・シンボースキー氏も「あのバントのアイデアを出した人間はクラブハウスに戻る前にクビにすべき」と厳しい言葉を投稿した。

　著名キャスターのキース・オルバーマン氏も「なんてことだ、あと2アウトでシーズン終了、次が9番バッターの状況でどうしてバントなんだ」と首をひねり、ニューヨークのスポーツテレビ局SNYでコメンテーターなどを務めるダニー・アブリアーノ氏は「競技場で起きた出来事のうち、これまで見た中で最悪の部類。何でこんなことを」と嘆いた。ファンからも「シーズンが懸かっている場面でバント？　あり得ない」などの声が上がっている。

　なお、MLB公式サイトのAJ・カサベル記者によると、ボブ・メルビン監督は送りバントとセーフティーバントのハイブリッドのようなものを意図していたとコメント。一塁手が後ろへ下がっていたことと、芝が雨で濡れていたことから、その状況を利用しようとしたと話していたという。

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