そのビデオは、アストロズに3連敗し王手をかけられた後、メンタルスキル担当のチャド・ボーリング・コーチによって編集された、選手たちのモチベーションを高めるためのものだった。MLBのポストシーズンで3連敗から4連勝しシリーズを勝ち抜けたのは過去に1例のみ。2004年のリーグ優勝決定シリーズを初戦から3連敗した後に勝ち抜け、ワールドシリーズ制覇を果たしたレッドソックスだった。

 同コーチはその時のシリーズのハイライトビデオを編集し、選手に見せて鼓舞した。しかしレッドソックスの劇的な大逆転劇の相手は当のヤンキース。そのビデオを見せられた選手たちは第4戦を5-6で落とし、4連敗のスイープという屈辱の敗退となった。

 ビデオの内容が発覚すると、ヤンキースの試合を中継するYESネットワークの実況アナウンサーとして有名なマイケル・ケイ氏が、自身が持つ番組で厳しく批判。「どうやったら、そこまで無神経になれるのか。頭がおかしくなったのか?」と全面的に否定し「私は04年に現役だった複数のヤンキースのOBに聞いてみた。彼らは、自分たちの屈辱的敗退を今季チームのモチベーションに使われ憤慨していた」と話した。さらに1865年に劇場で暗殺されたリンカーン元大統領にたとえ「リンカーン家の遺族に、自分の父親の例を出して劇場での銃撃事件から逃れる方法を教えるようなものだ」と過激な表現で批判した。SNSでは賛同するファンから、ヤンキースへの批判コメントが殺到した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1313356dee52d372077cf21481f6d4cb1904f289