阪神の岡田彰布監督(64)が27日、新たに来季の構想を明かし、近本光司外野手(27)の打順を「1番」に固定する案を示した。3番を打つことが多かった今季、四球の数が増えていることに着目。安打数の多さを合わせた出塁率の高さで、打線を引っ張ることを期待した。

 リードオフマンに求めるのは“出塁率の高さ”だ。岡田監督が近本の打順について「基本的には1番でやろうと思ってる」と考えを明かし、「うん、固定するよ」とシーズンを通して任せる方針を明言した。

 今季の近本は1番で48試合、3番で83試合に先発(他に2番で1試合)。6月以降は、ほぼ3番に座り、クリーンアップの一角を占めた。指揮官が着目したのは、四球数の増加だ。

 コロナ感染による離脱もあり、今季は打席数が612→580と、前年より減ったにもかかわらず、四球の数は33→41と増えた。「ちょっと3番らしくボールを選んだりな。フォアボールも増えたやん。1番のときも、そういう感覚で行ってくれたら一番いいんやけどな」と、より高い確率で出塁することをイメージする。

 今季72試合で1番を任された中野は、安打数は157安打でチームトップを誇った。一方で四球数は18と少なく、打数の多さも相まって出塁率・301にとどまった。中日の大島が同・376、広島の野間が同・347、ヤクルトの塩見が同・345…。各チームで1番打者を任されることが多かった面々と比較しても低い。

 その点、近本は中野に次ぐ、チーム2位の安打数に加え、四球数の増加で、出塁率はトップ大山の・358に次ぐ、チーム2位・352をマーク。30盗塁でタイトルを獲得した“足”も含めて、岡田監督が切り込み隊長として期待するのもうなずける。

 さらに岡田監督は、近本に続く2番打者についても言及。「2番は打つ必要はないんやから。そら守備よ。守備でポジションを勝ち取ったもんで、2番に一番最適と思う人間を当てはめるだけやんか」と、打力よりも守備力を重視した上で決定していく考えだ。

 1番・近本、そして大山、佐藤輝をクリーンアップに固定する。目指すはリーグワースト2位に終わった得点力不足の解消。第2次岡田政権における、上位打線の輪郭が明確になってきた。